心のアンテナは人生の転機をもキャッチする
心のアンテナが鈍ると感受性の豊かさは失われる

体はいったんトレーニングをやめてしまうと、だんだん弱っていきます。毎日続けていた頃はなんなく走れていた距離も、1度その習慣が崩れてしまうと、息切れが苦しくて走れなくなるものです。
感受性にも同じことが言えます。感受性とは、感動をとらえる心のアンテナの”感度”です。このアンテナは日頃から鍛えておかないと、感度がどんどん鈍っていくことに。
いったん感度が悪くなると、これまで拾えていた感動を拾いにくくなります。しまいには、なにかを見て体験しても、それといった感想を抱かなってしまうのです。
感受性を高めれば、現状を打開できる可能性が高くなる
物事に鈍い方が、痛みに対しても鈍感だから生きやすいという人もいるでしょう。特に、つらい環境で生きている人がそう思ったとしても無理はありません。
しかし心のアンテナは、なにも感動だけをとらえているわけではないのです。”人生の転機”に対してもアンテナを張っています。
もし今のままじゃ嫌だと感じているのなら、チャンスをつかんでそこから抜け出しましょう。では、この”チャンス”とはなにかというと、人との出会いだったり、これまで見向きもしなかった新しい体験だったりします。
それらに対して、ビビっ!とくるために必要なのが、心のアンテナの感度。感受性です。感受性が低いと、運命を変えるチャンスが巡ってきたとしても、気付かず素通りしてしまうかもしれません。
心のアンテナの感度を下げたくなかったら、感受性を刺激すべし
その昔。私はよく電化製品を壊しては、父に怒られました。テレビも、エアコンも、私の部屋の電化製品たちは、たいして使わないうちに壊れてしまったのです。
そんなに使わなかったのに、いったいどうして?
電気関係の仕事をしていた父に言わせると、実は「使われない」状況こそ、電化製品をだめにしまうものだそうです。
そう言われてみると、エアコンは夏の間に1・2度しか稼働させなかった記憶が(旧型で風が冷たすぎたから)。TVは見ても1日5分、まったく付けない日もありました(朝の目覚まし程度にしか使わなかった)。
電化製品に似たところのあるのが、心のアンテナです。たまには、ビビビっ!と感じるものを受信させて、刺激してやる必要があります。アンテナが反応するものをこちらから提供してあげるのです。
そうすることで、アンテナの感度――感受性を維持することができます。
感受性の具体的な鍛え方
感動できるコンテンツを観る・読む

一番手っ取り早い方法がこれです。
世の中は、「感動!」「泣ける!」というキャッチコピーで宣伝しているコンテンツが溢れています。泣ける映画や小説、再会ものドキュメンタリーなど、どれでも好きなものを選びましょう。
また、感動とは文字通り「感情が動く」という意味。なにも「泣ける」だけが感動ではありません。笑う、ビックリする、怒ることさえも感動です。
怒るはストレスがたまるので、置いておくとして。笑える動物動画、知的好奇心が刺激されるハウツー本も、人によっては感動となります。どんなジャンルのものに自分の心が反応しやすいのか、日頃からちょっと意識してみるといいかもしれません。
作品のジャンルを変える
人間は適応能力が高い生き物です。痛みや新しい環境に対して徐々に順応していくように、感動の刺激にも慣れてしまいます。泣ける悲恋ものを立て続けに観ていれば、さすがに感動も薄くなってくるというもの。
あまり心が反応しないなと感じたら、未知のジャンルにも手を出してみるといいでしょう。これまで恋愛ものばかり見ていたのであれば、思い切ってホラーものを見てみるといった具合です。
ランダムにコンテンツを観る・読む
普段観る映画・読む本のジャンルが固定化している人には、この方法もうってつけです。自分の好みはいっさい無視して、コンテンツを選びます。
たとえば本であれば、多様なジャンルの作品を含むシリーズを順番に読んでみる。新刊コーナーから適当に選んでみるといった具合です。帯のあらすじを見て興味がないと感じたとしても、それでも読むのです。
私は一時期、岩波文庫の赤帯を読んでいたことがあります。

文学における世界名作を扱っているのがこのシリーズ。有名どころだと、『レ・ミゼラブル』や『三銃士』が含まれています。小説と一口に言っても、笑い話あり、悲劇あり、王道のラブコメあり。物語のジャンルとしては実に多岐に渡っています。
映画であれば、アカデミー受賞作や名作としてリストアップされているものに絞って観てみるのも一興でしょう。あるいは逆にメジャーな作品から外れて、ミニシアターで上映されているような小作品を選ぶのも味わい深いです。
観る側から体験する側にまわる
さらには、「観る」という受身より、体験する側にまわった方がより強まるのが感動。TVでバンジージャンプに挑戦している芸能人を観るより、実際自分で体験した方が感動は何倍にも何十倍にも膨らみます。
もし、自称・無感動体質の人がいたとしても、深い谷底へ向かってバンジージャンプすれば、恐怖や興奮など、なんらかの感動を覚えるはず。
バンジーは極端な例ですが、スポーツや音楽もTVでながめるより、自分でやってみた方がずっとおもしろいし、感動します。目から入る刺激で物足りなさを感じたら、手足も動かしてみましょう。体を使えば使うほど、感動は増していきます。
忙しくて時間がない人でも、自分を感動させることはできる
多忙だけど感動したい人には、飲食物による刺激がピッタリ!
平凡な毎日が続いているなと感じたら、それは感受性が鈍っているという警告なのかもしれません。積極的に感動を与えて、自分を刺激してみましょう。
もし映画を観るような、まとまった時間がないという人には、食べ物・飲み物を使った刺激法をおすすめします。
たとえば、自販機でこれまで飲んだことがない飲み物を買ってみる。普段コーヒーを飲まない人であれば、ブラックコーヒーを口にしただけでもなんらかの感動を体験できます。
流行りの商品が並ぶコンビニは、感動ネタの宝庫

トレンドの最前線であるコンビニへ行けば、なにかしら目を引く新商品が見つかります。
ちょっと怪しい味付けのスナックやドリンクは、実に冒険心をくすぐられる一品です。最近のポテトチップには、トースト味や牛乳味といったチャレンジャーな味付けもある様子。
「へえー。こんな味なんだ」
これだけでも、十分”感動”しています。なにも涙を流すだけが感動ではないのです。むしろ、小さなことでも感動できる方が、感受性レベルは高いと言えるでしょう。
こうやって心のアンテナを定期的に刺激してやっていると、実生活で感動が訪れたとき、大きな感動をかみ締めて味わえることでしょう。そして、人生の転機が訪れたときもビビっ!とキャッチできます。
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