素直な人は友達ができにくいという宿命を背負っている

素直な人は警戒されやすく、本音でわかり合える友達ができにくいのサムネイル
目次

波長が合う友達がほしい……!

職場や学校で仲良く話せる人たちはいる。でもそこから友達の関係になってくれる人はほとんどにいない。

そんな心当たり、ありますか?

私は学生時代も社会人になってからも、そんなことが数え切れないほどありました。相手が異性ならありがちな話かと思いますが、すべてのケースで同性です(むしろ、異性の友人は多かった)。

とても悲しかったんですが。今改めて思い返してみると、「あまりに素直すぎると警戒されるのかも……」と腑に落ちた部分もありました。

知人から友人の関係へ進めないのはなぜなのか? 波長が合う友達を作るのは不可能なのか。素直な人の友好関係について、私自身の経験を振り返りながらまとめてみました。

素直な人のオープンさは奇異の目で見られることがある

素直な人のオープンさは奇異の目で見られることがあるの記事画像

素直な人の心は、いつでもナチュラルオープン

いまどき普通の人は、むやみに心の中にある考えをのぞかせません。見せるのはせいぜい、仲がよい友やと家族といった、ごく親しい間柄くらいでしょう。

一方。初対面の人にまで、あけっぴろげに心の中を見せてしまう――それが素直な人。

決して意図的にそうしているわけじゃありません。それにも関わらず、なぜか「あなたって、素直だよね」と言われます。初対面の相手だと緊張して、失礼なくらい他人行儀になっているんじゃないかと心配していたくらいなのに。

どうやら世の中の人々は、予想以上に警戒心を持って生きているようです。いや、物騒な世の中ですし、こっちだって気を付けてるつもりなんですけど……。どうも意思には関係なく、心がオープン状態になってしまうようなんです。

心を開くことは、人前での脱衣同様に大胆だと受けとられることがある

心を開くことは、服を脱ぐことと同様に大胆だと受けとられることがあるの記事画像

人より露出している人は、変態とまではいかなくても、奇異の目で見られます。これは外見だけではなく、心の開き具合についても同じらしいのです。

あまり親しくない同僚に対して、本音で語り、素の反応を見せると、明らかに「この人、怪しい」という視線を返されることがあります。

特に、おとなしそうな女子からは何度も警戒されたことがあります。それこそ、下心丸出しに近付いてきた男性をながめるのと同じ目で見られることも(私も女性だし、そっち系の趣味があるわけでもないのに)。ここまでくると、かなり哀しいものがあります。

これは個人的な推測なんですが。親しくないと思っている相手からナチュラルにフレンドリーな態度をとられると、人によっては「いやぁー! 変質者が目の前で服を脱いでるー!」に似たようなショックを受けるようです。

「え……。そこまで見せちゃうの……?」とドン引きされ、「変態! そばに寄らないで!」とびみょーな距離をおかれます。決して言葉には出してきませんが、「寄らないで」オーラをプンプン発散しているのでわかるんです。

そっかぁ。心を開くって、悪いことじゃないと思っていたけれど。ある意味大胆な行為だったんですね……。

素直な人の悲しみ。本音で付き合える友達ができにくい

知人としてはOK、友人としてはNGと線引きされる

理由その1:知人としてはOK、友人としてはNGと線引きされるの記事画像
友達と知人の間には深い溝がある

素直な人の心は基本的にオープンです。けれども相手が”クローズ”だと、両者の間に温度差が生まれます。

友好を深めていく、一緒に仕事をしていく、その中で”先方もオープン”になっていけばいいのですが、これがなかなかうまくいかない。もう何年も一緒に仕事をしていて、なにを言わなくとも一緒に帰る仲になっている同僚でさえ、”仲間”の先の”友達”関係になれないのです。

一番ショックだったのは。5年以上の同僚で、一緒に帰ったり休憩時間に連れ立って出かけるような仲だった人に「おもしろかった本があるの。よかったら読んでみる?」と気軽に声をかけところ。見知らぬ男にナンパされたみたいな警戒心を丸出しにされたことですねぇ……。

本だって単なる旅エッセイで、スピリチュアルとか怪しいものでもなかったのに。一緒に行動してもいいけど、本を貸し借りするような仲ではないってもろに突きつけられました。

その理由のひとつは、友達というプライベートな関係において、素直な人のオープンさがどうにも肌に合わないととられてしまうこと。「仕事仲間としてはいいけれど、友達としてはNG」とシビアに線引きされます。

こういう人、学生の頃から今まで何人もいました。異性相手なら無理もないかと思いますが……同性からこの扱いはほんと、へこみます。

気が合わない大多数に自分を合わせようとし、失敗する

理由その2:気が合わない大多数に自分を合わせようとし、失敗する

これは素直な人側の問題です。

詳しくはあとで述べますが。つまるところ、素直な人と気が合う人は数年にひとりいるくらいの少数派です。残念ながら、世の中の圧倒的多数とは、”知人以上、友達未満”にしかなれません。

けれども淋しさに耐えかねて、波長が合わない人たちとでも無理に友達になろうとします。とりあえず、話しかけてみる、お昼を一緒に食べてみる、お茶してみる。でも、ちっともおもしろくない。

素直な人は、フィーリングにかけては勘がはたらく方です。「この人、私とは波長が合わない人だな」そう感じたとき、その直感はおおむね合っています。

それでも、ひとりは嫌だからまた自分から誘ってしまう。

そのうちつまらないを通り越して、むなしさがこみ上げてきます。自分の心に嘘をついて、合わない人に合わせてる息苦しさがたまらなくなってくる。そして限界に達すると、その相手と距離を置くようになります。

「こんな偽りの友達ごっこをするくらいなら、ひとりの方がいい」

そしてまたひとりに戻ります。

会社のお昼休みもおおむねこんな感じです。さすがにまったく付き合わないと業務に支障が出るので、「仕事が残ってるから自席で食べます」など言い訳をつけて、息抜きできる時間を確保します。

波長が合う友達だけで構成される素直な人の友好関係は、狭くてディープ

とっておきの友達だけで構成される素直な人の友好関係は、狭くてディープの記事画像

数年にひとり現れる、素直な人にドンピシャで波長が合う人

悲しい話が続きましたので、最後は希望のある話で締めましょう。

実は素直な人の友好関係はまるでだめかというと、そうでもありません。

友達になれる人の数こそ絶対的に少ないものの、“当たり”の人はかなり高い確率で親友になってくれます。普通の人が広く浅く多くの友人を持つのに対して、素直な人は少数精鋭で深い友好関係を築きます。

ただし、当たりの人に出会えるのは数年にひとりと思ってください。私の感覚だと、5年にひとりといったところでしょうか。

もしその人に出会えたら、30分もおしゃべりしただけで波長にピンときます。逆にいうと、この感覚を得られない人はハズレです。

素直な人の価値をわかる人が波長の合う人

当たりの人の最大の特徴は、“素直な人の価値とおもしろさをわかってくれること”です。

普通の人にとって素直な人とは、どちらかといえば”変わった人”です。「変わってるね」と言われるのは、まだましな方。ひどいと、”お近づきになりたくない人”に区分されます。

ところが当たりの人は、素直な人のことを「おもしろい」と言ってくれます。初対面でしばらく話した後、唐突に「おもしろい人ですね」と感想を述べます。

嘘みたいな話ですが、これまで2・3人にそう言われました。いったいなにがおもしろいのか当人にはさっぱりでありますが、確かに初対面なのに、すぐに打ち解けておしゃべりできる人たちでした。

当たりの人には、素直の人の生き方や考え方、あるいは会話における反応が、普通の人とは違うとわかるのでしょう。

これは素直な人を警戒する人も積んでいる感知センサーですが、感知した後で「いいじゃん」と判断してしまうのが大きな違いです。いったいどうしてなのか、不思議でなりません(褒め言葉です)。

正直に自分の思いを語り、生き方に軸がある人は魅力的

類は友を呼ぶと言いますが、当たりの人には素直な人との共通点があります。

それは、初対面の相手であっても遠慮せずに、自分の思いを偽りなく話してくれるところです。とても正直なんですね。だからこちらも「同じように話していいんだ、変に思われないんだ」と安心できます。

じゃあ、当たりの人=素直な人かというと、そうでもない。中には、自分のやりたいことや望みを我慢しながら生きていて、「ダークな私が中にいるの」なんて言ってのけた人もいました。

自分の思いを押し殺しながら生きていくだなんて、私にはとてもできません。それでも、「自分の黒い部分を、ちゃんと抱きしめて生きていける強さも素敵だなぁ」と感動したのでありました。

そう、軸のある生き方をしている人、と言えるかもしれません。これまで波長が合うと思えたのは、「自分はこう生きるんだ」という軸があり、それについて長々と語れる人たちばかりでした。

日本には元々自己主張すると押しつぶされやすい空気があります。そう考えると、素直な人と波長が合いやすい軸のある人の存在自体が少ない、のかもしれません。

いつか必ず出会える。最高の友達に

素直に生きていると奇異の目で見られることが多く、友好関係では自信をなくしがちです。

私も一時期は、神社に行くと「同性の友達をください」とお祈りしていたほどでした(笑)。友達欲しさに、インターネットの掲示板で知らない人に会い続けたこともあります。

でも、ここ数年は吹っ切れました。合わない人に無理やり合わせても不毛なだけですし、相手にも失礼です。

それだったら、本当に気が合う人を見つける他ないなぁと。見つけるというより、見出すと言った方がいいですね。闇雲に人と会っても疲れるだけなのは、一時期やってみてよくわかりました。だから、機会を待った方がいいと思います。

淋しかったら、心の隙間を埋められる代わりのものを探してみてください。

私は毎年変わるほど趣味が豊富なので、そちらで気を紛らわすことができました。昔から続けている音楽の趣味も支えになっています。

それから、人のかわりに猫の友達が増えたことも大きいですね。猫って通いつめると、顔を覚えてくれるんですよ(笑)。最近は部屋で植物も飼ってます。

5年、10年と長い期間友達ができないことが、これまでの人生で何度もありました。だから、友達ができない、続かないと悩んでいる人もどうか希望を捨てないでください。そのうちばったり、あなたの魅力や価値をわかってくれる友達に出会える日がきっとやってきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント(※サイト記事や関連サービスの参考として、匿名で内容を引用させていただく場合があります。あらかじめご了承ください)

コメント一覧 (9件)

  • スミカさん!とてもこの記事気になりました。
    私は他の人より、人と仲良くなるのはめちゃめちゃ早い(顔が広い)のに、気づいたら誰も残ってない、相手の方からは私の方に来ない、ひどければ音信不通と言うことが小さい頃からよくありました。
    そして、自分なりに気遣いなどしていても、素直とかはっきり言うなどと言われてきました。
    また、長い友達が全くと言っていいほどいません。ただ私が性格悪かっただけと言うのもあると思うのですが、少しこの記事を読んで私にも当てはまっているのではないかと思いました。
    長くなってしまいましたが、スミカさんはどうして自分が”素直”だから普通の人とは距離を置かれると考えたのでしょうか?
    どのような過程があったのか、良ければ教えていただきたいです。
    18歳女子より

    • こんばんは、SA0さん。コメントありがとうございます(^.^)
      内容を拝見して、私もいろいろと考えるものがありました。

      この1週間ほど忙しいので、お返事まで少しお時間をください。
      私は長文派ですので、きっと内容が長くなると思います(-_-;)

      このコメント(投稿の際はメールでご連絡します)か、
      長すぎるようなら記事の形でご回答したいと思います。

  • スミカさん、はじめまして。
    偶然たどりついた記事だったのですが、無茶苦茶共感しました!ありがとうございます!
    わたしもよく「素直」「馬鹿正直」と言われるのですが、同性の友達ができず、ずっと悩んでおり神社に祈ったことあります!笑!
    友達グループの中に頑張って入るのですか、心のない会話がつまらなくて「自分はなにやってんだろ」と虚しくなり、グループを抜けてしまいます。でも一人になって寂しいからまたグループに入って…の繰り返しでした。
    私をおもしろがってくれる友人がたまーにできるんですが、それも「5年にひとり」くらいなんだな、と思うと気が楽になりました。まずは趣味にいそしもうと思えました。ありがとうございました。

    • 海さんへ。ご覧いただき、ありがとうございます。お役に立てたようで、よかったです。

      この記事は意外と反響があるので、近いうちに続編を書こうかなと思っています(^.^)

      趣味を通じた友達作りがなかなかいいと思いますよ。でもリアルのサークルとかだと結局またグループうんぬんになってしまうので、趣味関連のTwitterを始められるのがおすすめです(私もお絵描き系Twitterを始めたら、雑談できる人が何人もできました)。フォローしてくれた人にフォローを返し、そのお礼でメッセージを送ると会話が弾むことが多いです。

      お互い無理に焦らず、気長に行きましょ(^.^)

  • これか!これなのか!!!

    面白いと言われて、素直と言われ、
    自分のことが理解できた気がしました!
    普通の警戒心、自分の警戒心
    まさにグループの不得意さ、もうずいぶん昔から
    心無い女子の社交辞令トーク
    ズレがあります、正直苦手。
    そんな会話なら妄想した方が1人の昼食の方がよっぽど気楽です。
    けれど周りから1人ぼっちで可愛そう、変わってる。コミュケーション下手って言われました。

    また別のグループに入る。
    趣味で見つけたグループ。
    グループとなると途端に難しい。
    またズレる発言
    自分がおかしいのか。の繰り返し

    あの子はただの自己アピールなSNSなのに発言なのに
    なぜ私の発言は違うのだろうか。。
    と深く考えまた落ち込む。

    この記事を読んで
    周りとの違いを受け入れ
    もう少し自分の直感を信じていいんだと思えました

  • 本当に、当たってます!!
    なんでここまでしっくりくる内容なのか、と思いました!

    私は、最近高校生になり自分が他の人と比べて『普通じゃない』ことに気づきました。
    そして、悩みに悩みまくってここにたどり着きました!
    私は幸いなことに中学の時に、こんな私を受け止めてくれる子がいっぱいいてくれたため、これが普通だと思っていました。
    ところが高校生になった途端、「変わってる」所が受け止めきれないのか、本当にこの人がいいなって思うような友達と出会えていません。

    1人の方が楽なのにな〜。
    中学の時のみんながいたらな〜。
    とワガママですが毎日毎日考えています…

    だからといって、1人でいるのは周りの目が気になって結局虚しい結果になってしまいます。

    ですが、この記事を見て自分の事を「面白い」「素直な所がいい」と受け止めてくれる親友を大事にしようと思いました!
    本当に貴重な宝物ですものね!!

    これから頑張ってみます!!

  • スミカさんはじめまして、コメント失礼いたします。

    私も同性の友人ができにくく疑問に思うことが度々あります。

    直感では”んーあわなさそう”と感じている職場の人と、何度か食事にいったりして
    こちらが合わせるうちに何となく合うような気がしてきて、素直に話してみると、思った反応じゃなくて急に距離とられたり^ ^;
    それで、家に帰ってきた時にはなんだかモヤモヤっとして二度とご飯いくか!なんて思っても、次は大丈夫かもとか思ってまた同じ事を繰り返したり…不毛な事をしてました笑

    そして、考えてる事を言葉に出して”伝える”のがとても下手なのもあって、同調するのが得意な女性相手に、同調してもらえるまでの説明ができないという悲しい現実。笑

    何考えてるか分からないし、変わってる人だねとも言われるけど…
    波長が合う人には面白がってもらえて、現にそう思ってもらえる友達が片手に収まる位いる事に感謝!ですね!

    このコラムを見られて良かったです^ ^
    記事を書いてくださりありがとうございました!

  • 50過ぎたおばさんです。
    読ませていただいて、すごく楽になりました。
    世の中の女性てすごくズル賢くしたたか、、、この歳になってあらためてそう感じていて、しんどい気持ちをもって人間関係を築き、一人でも友達がいるだけで感謝しないと、と自分を慰めていました。
    心に沁みました。ありがとうございました。

    • こんばんは。「ズル賢くしたたか」、確かにそうなのかもしれません(^^ゞ 気疲れしてしまう人たちと付き合うくらいなら、気心の知れた少ない友達がいれば十分だと思います。少しでも参考になったようでしたら幸いです。

コメントする

CAPTCHA

目次