素直な人がひそかに悩んでいること。うっかり本音を漏らしてしまう、演技ができない

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素直な性格ゆえの一番の短所

言わなければいい。頭でわかっているのに、つい本音を漏らしてしまう

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素直であることは、基本的には悪くない生き方だと私は思います。もちろん苦しいときもあるけれど、やましい気持ちや嘘を抱えて生きるよりは気が楽だからです。

しかし素直な人は、大きな欠点を持ち合わせています。それは、誰にでも本音を漏らしてしまうこと。気持ちを閉じこめておけない、といった方が正確かもしれません。

いくら黙っていようと思っても、相手が機嫌良く話しかけてくれると「いい人だなぁ」と無意識のうちに警戒を解いてしまいます。

このように、素直な人は口が軽い傾向があるものの、相手の欠点をズバズバ指摘するような口の軽さではありません。

口を滑らす内容は大抵自分自身についてであり、無防備に心の中をさらけ出してしまいます。おそらく素直な人のまわりには、「そこまで大胆に見せちゃうの??」と思っている人がひとりやふたりいることでしょう。

もちろん、当人に露出狂の趣味はありません(笑)。口は災いの元と言いますし、見せまいと努力はしているのです。嘘じゃないですってば。

本音を口撃材料にしてくる相手は素直な人の天敵

そうやって話してしまった情報を、口撃の材料に使う人がいました。よりによって、会社の上司でした。この人につくようになってから、私は毎日のように痛い目に遭い続けていました。

――もうこの人には、業務内容以外なにも話すまい。

そう何度心に念じても、ふとした折りにポロリと本音がこぼれてしまうのです。自分でも「おいおい、勘弁してよ。学習能力がないなぁ」とあきれるくらいでした。

まわりの人はというと、攻撃的な相手にしっかりガードを固めていました。なにを聞かれても「そうですねぇ」と応じ、うかつに本音やプライベートの情報を漏らしませんでした。

どうして私は同じようにできないのだろう?

私だって女優になりたい! 素直な人間が演技をするのは不可能なのか?

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またまたぶっ飛んでいた、親友の言葉

前回の記事では、親友が説くヒストリー教について書きました。その彼女にまた相談してみました。

本音を隠せないばかりに、サンドバッグのように口撃を受けている。もうちょっと年相応の狡猾さを身につけたい、と。

予想を裏切らず、今回もなかなか興味深い答えが返ってきました。

「●●(私の名前)、あなたは女優。悲劇の女優なのよ! うかつに本音を漏らさないことを学ぶために、この会社に入ったの。サンドバッグなんて、ネガティブなことは言っちゃダメ。あなたは女優。悲劇のヒロインなのよ」

あぁー……。なんだか『ガラスの仮面』を思い出しました。

「私は女優」繰り返し念じるも、まるで馬の耳に念仏

「私は女優、悲劇のヒロイン。私は女優……」

朝の出勤時。会社のドアを開ける前に、ブツブツと何度も自分に言い聞かせました。

トイレ休憩のときも、鏡の中の自分と向かい合って「私は女優」と繰り返し、自己暗示をかけるようにしてみました。

でも、まったく効きませんでした。私の口は相変わらず、本音を漏らしはいけない相手に、本音をこぼし続けていました。前回のヒストリーはよく効いたものの、今回の女優はまるでだめです。

そこで思い出しました。専門学校時代、選択授業で「アクターズレッスン」(演劇レッスン)を受講したことがありました。しかし、演技をしている自分がどうにも滑稽で笑みが止まらず、1度も演技らしい演技はできませんでした。

どうやら、どんなに意識しても、自己暗示かけてみても、演技が絡むものはとことんダメなようです。

演技上手、世渡り上手な人は幸せなのか?

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気配り上手なマダムの物語

女優の話をしたあと、友人はもうひとつこんな話もしてくれました。

友人の子どもが通っている学校のPTA役員に、上品な雰囲気を漂わせた婦人がいました。このマダムは周囲への気配りがとても上手で、誰からの受けも良かったそうです。

しかし、万人から好かれるマダムの振る舞いは、彼女の生い立ちに関係していました。家庭内に事情があり、親族と揉め事にならないよう、調和を計りつつ生きなければならなかったといいます。自分の心を押し殺し、相手の不興を買わないよう、常に気を使っていたそうです。

そんな彼女は、果たして幸せなのだろうか? 友人は問いで話を締めくくりました。

心を差し出して保身をはかるか、傷付いても素直に生きるか

本音がポロリで炎上続きだった私は、「いっそのこと口がきけなければいい」と半ば冗談、半ば本気で考えることがありました。そして、もっと上手に嘘や愛想を使いこなせればいいのにと、狡猾になれる人をうらやましく思っていました。

しかし、マダムのように世渡り上手であっても、それはそれで苦しいのかもしれません。いくら身を守ることができても、代わりに心を差し出さなければならないからです。マダムはもう素の自分がわからないと思う、友人はそうコメントしていました。

世の中を渡るということは、突きつめていくと、心を差し出すか差し出さないかの選択に行き着くのかもしれません。

ためらいなく差し出す人もいれば、仕方なく差し出す人もいます。なにがなんでも差し出すものか!という人は、やはりそれなりの不利益を被ることになるのでしょう。

それでも、心を保身と引き換えにして生きるよりは、素直に生きて自爆している方が気楽だと私は感じました。あなたはいかがですか。

素直に生きるリスクを少しでも減らすための対処

素直な人は自分がナチュラルであろうとする

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素直な人は、多かれ少なかれ、演技をすることに対する抵抗心のようなものがあると思います。

これはある意味、素直な人の”変なこだわり”なのかもしれません。まるで無農薬野菜のように、自分自身がナチュラルでなくてはいけないような気がするのです。

そのため、ナチュラルに生きられない環境に置かれるとストレスを抱えます。うっかりブラック企業なんて入った日には最悪です。上手に嘘をつけない素直な人は窮地に陥ります。

嘘も方便と頭で割り切っても、心で割り切れず、嘘をつけません。仮にやってみたとしても、他人ほど巧みに嘘を操れず、十分に身を守れません。そのうち嘘をつくのが心理的に苦しくなってきます。

戦いを回避する狡猾さもなければ、嘘で身を守ることさえ心をねじ曲げるとためらってしまう――それが素直な人です。

できることといえば、戦いで受けるダメージを少しでも軽くする、傷を化膿させずに早く治す、といった対処療法になります。

心のダメージを軽くする、傷を負ってもすぐに回復できるようにする

このサイトでは、ストレス解消法を重視しています。素直な人は、基本受け身で傷付きやすいという特徴があるからです。上手にストレスを解消できれば、心の傷が浅いうちに治すことができます。

心に生傷が絶えないのは、素直に生きている人の宿命といえるかもしれません。だから自分なりのストレス解消法――治療法を持つのが大切になってきます。

ストレスの程度に応じた治療法を見つけましょう。せわしなく動いている現代社会では、いつまでも心の傷を引きずる余裕がありません。効果的な治療法を発見できれば、回復までにかかる時間を短縮できます。

心が傷を負わないよう、守りも固めましょう。「私は女優」のように、自己暗示をかけるのもそのひとつです。私にはまったく効きませんでしたが、あなたには効くかもしれません。合う方法は人それぞれなのでいろいろ試してみてください。

心が傷付いていくのをただ呆然と見ていないで、あなたから駆け寄ってストレスを追い払ってあげましょう。心を守ることを覚えれば、もっと素直に生きやすくなり、素直に生きる恩恵がデメリットを上回るようになります。

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